形見

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GW明けの良く晴れた土曜日、祖母の納骨のため、親戚一同が横須賀にあるお寺に集まった。

墓前で叔母が茶封筒に入った一通の手紙を取り出した。 
20年以上前に亡くなった天国の祖父へ宛てた祖母からのラブレターだった。
その手紙は仏壇の奥底に仕舞われていた為、祖母が亡くなった後に偶然発見されたものだ。
日付が昭和63年となっていた。祖父が亡くなった翌年に書かれたものらしい。

従姉妹が天国の祖父に届くよう、便箋4枚に及ぶその手紙を朗読した。

長野で小さな商店を営みながら、戦時中から戦後にかけ4人の子供を育てた祖父と祖母。
その苦労話は母や叔母からよく聞いていた。
それでも祖母は、二人でゆっくりする間もなく闘病生活に入り、
そして先に逝ってしまった祖父に対して「ありがとう」の気持ちしか綴っていなかった。

「子供達には満足にお菓子を食べさせてあげられなくて不自由な思いをさせてしまったかもしれないけれど、それは戦時中の子供みんなが同じ思いをしていたのだから許してもらいましょうね。今日食べるお米が無いといった思いを一度もせずに済んだこと感謝しています。それよりも子供達が病院通いもせずに元気でいてくれること、有り難いですね。もう痛い思いもせずにそちらでは楽しく過ごしていることと思います。40数年一緒にいたことを振り返り、色々綴れば涙なみだになってしまうから、思い出話はまたにしましょうね。それではしばらくサヨウナラ。またね。」

炎天下の墓前で叔母が泣き崩れた。
それまではしゃぎまわっていた3歳と8歳になる孫二人(祖母のひ孫)が、
「ばぁば、泣かないでね。よしよし。」とすかさず寄添った。

命も優しさもちゃんと受け継がれている。

おばあちゃん、やっとおじいちゃんに会えたよね。
私達がいつかそちらへ行くまで、ゆっくりと思い出話の続きでもしていて下さい。


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by gara_romance | 2009-05-09 22:03 | その他
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