与論島内にある
「ゆんぬ・あーどぅる焼窯元」さんでは、与論の赤土を使用した焼物を制作することができる。釉薬には与論のサトウキビ、珊瑚、海水、海草などを使用されているとのことで、島を訪れる前から、その色合いに私は興味深々だった。
いざ制作に取り掛かると上品なお猪口(ちょこ)を作るつもりが、想像していたよりも随分と大きくなってしまい、急遽湯飲みに変更。しかも2つの大きさがだいぶ異なり、先生に「夫婦(メオト)茶碗みたいね」と言われ、「夫婦(メオト)でも茶碗でもない・・・(ボソッ)」、と心の中で呟きながら、あまりの不器用さに自分でも驚いた。見れば見るほど不恰好。でも、それが「味」のような気がしてきて、何だか愛着すら沸いてきた。
先日やっと窯元で焼きあがった湯飲みが東京の自宅へと届いた。
珊瑚礁から醸し出された青の色合いはやっぱり素敵。それでもやっぱり呆れるほど形はイビツなんだけど、この湯飲みを部屋で眺めていると、何だか素朴で温かだった与論での数日を思い出す。
歪んでたって、バランスが悪くたって、大きさがバラバラだって、片意地張って無理して背伸びしているよりよっぽどいい。自然体がいい。温かみがあればいい。
与論へ行ってそう感じたはずなのに、この湯飲みが届くまで忘れていた。
そして時を同じくしてもう一つ与論から届いたものがある。それは滞在中お世話になった、三線の先生ご夫妻からの手紙だった。そこには、「今度与論へ遊びにいらした時は一緒に
百合が浜へ行きましょうね」と書かれていた。手紙からは与論の爽やかな海の香りが漂ってくるようだった。
与論から戻りすでに1ヶ月が経とうとしている。
それでもまだ、旅の余韻は消えていない。
ゆんぬ・あーどぅる焼窯元(与論島)
http://www8.ocn.ne.jp/~a-duru/
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