
紺碧の海と溢れる太陽の光に恵まれた陽気な南イタリアの都市、ナポリ。
遠くにヴェスヴィオ火山、カプリ島を望む雄大な景色に、海辺では観光客だけでなく猫や犬までも癒され一日中のんびりと過ごしているかのようでした。
後方に見えるのは「卵城」です。
ノルマン王がサンタ・ルチア港の埠頭にこの城を築いたのは12世紀。
建設の際、城の中に卵が埋め込まれ「この卵が割れる時、城はおろかナポリも滅びる」という呪文がかけられたことから、卵城と呼ばれるようになったとか。。
「ナポリを見て死ね("Vedi Napoli e poi muori!")」という言葉がありますが、それはこの卵城からの美しいナポリの景色を一度は見るべし、という意味のようです。
北イタリアのすました感じのオシャレな都市もそれはそれは素敵ですが、私はイタリアといえばやはり南イタリアが好きです。唄を愛し、食を愛し、恋を楽しむ。それはイコール人生を楽しもうとする姿勢につながると思います。何とも羨ましい。。決して治安も良い方ではなく、歴史上何度も支配下が代わり目まぐるしい変化に呑まれそうになりながら、それでも人々は何とか明るく生き抜いてきた、「底抜けの強さ」みたいなものがナポリにはあります。
一歩路地に入ると、昔と何ら変わりなく密集した古アパートに洗濯物が所狭しと干してあり、その生活感たるやムンムンとした熱気を感じるほど。ナポリへ行けば、そんな下町の日常や陽気な人々、地中海の恵みたっぷりの食文化に簡単に触れることができます。
イタリアでは立派なお城や教会、一日では周りきれないような広大な美術館、高級なホテル、遺跡などなど貴重なものを沢山見たけれど、案外旅を振り返った時に懐かしく思うのは、その土地の飾らない日常風景だったり、親切に道を教えてくれた通りがかりのおじさんだったり、歩き疲れて一休みした小さなカフェでのひと時だったり・・・。
写真の子猫は、黄金色に染まりつつある太陽をジッと見つめ何かを一心に考えているようでした。
そんな異国での小さなひとコマが何故か今でも忘れられません。
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